ミスターGT-R水野和敏氏のチームが成し遂げた匠のクルマづくりとは #ベストカーアンバサダー


こんにちは、クルマ好きだけどあまり詳しくないyutaka(@goyutaka)です。

今回ベストカーさんの主催する「ベストカーアンバサダーチーム」のシークレットイベント「水野和敏氏トークライブ」に参加してきました!
水野節と言われる独特のウィットに富んだ語り口調で、日産GT-R開発の現場の熱い想いと日本のクルマづくりについて約2時間楽しませて頂きました。


そこには知識の凄さももちろんですが、「チーム」をまとめるというマネジメント力がにじみ出ておりました。

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GT-Rが目指したもの

私は日本車って世界的にも地位が確率されているものと思っていました。
燃費や環境性能など最近盛んにCMなどで目にし日本車は凄いと思っておりましたが、車というのはそう言った部分だけではなく、乗って楽しいという喜びなどトータルで計ると実際はそうではないということを知りました。

世界の富裕層が所有したり、スーパーカーと言えば欧州車というステータスが確立されており、ポルシェやフェラーリに魅力を感じ残念ながら日本車の名前がそこに上がる事が無いという視点でみればその通りだと思う。


そこへ殴り込みをかけたのが「GT-R」
水野氏はGT-Rを通して日本車のステータスを上げる事を目指したのだ。


なぜ欧州車がステータスを確立しているのかというと、速度無制限のアウトバーンやドイツ北西部にあるニュルブルクリンクという世界的サーキットがあり、普通にそこで開発がされている。

一方日本車は狭い国土とコンピュータ上のシミュレーションとテストコースでの実験、さらにはクルマ開発をしている技術者が電車通勤が主な移動手段であったりと、この辺りのお話を聞いただけでも立っている位置がまったく違うという事を感じぜずにはいられなかった。

日本車がポルシェというブランドを抜かしてやる!
しかもそれは、一部の人だけが操れるクセのあるクルマではなく一般の人が街のりからスポーツ走行まで安全に速く走る事ができ、価格も抑えた「マルチパフォーマンスカー」という欧州車を越えるスペックの車をつくるという事だったのだ。

ニッポンの匠

カルロス・ゴーン直轄で行われたGT-R開発。
開発責任者となった水野氏の豊富な知識と経験はもちろんの事、良い意味で超「人たらし」力があるという所に注目せざるを得ない。

技術者に往々にありがちな、部下にやらせるより自分で手を動かした方が早いと感じリーダーが職人になってしまう事は良く聞きます。
水野氏はあふれる知識の持ち主でありながら、チーム員への仕事の割り振り、委譲、責任の取り方などマネジメント力の卓越さがこの2時間のトークで直接的では無いが同氏の著書でもたびたび登場するデータエンジニアの中川氏との会話で垣間みることができました。


2人がならんでいると、頑固オヤジと気が利く娘さんという雰囲気。
たまたま水野氏が書類作成を当時庶務だった中川氏に依頼したところ、その資料の目的や得られる成果、何を強調するかなどポイントを聞いて来て短時間で完璧な資料を作ったという才女。
それがきっかけで、庶務からGT-R開発のデータエンジニアに抜擢される事となる。

辛口と思われる水野氏だが、この2人の会話を聞いていると根回しやフォローなど関係各人への気遣いを忘れない「人たらし」力が感じられた。

GT-R開発は棟梁という水野氏が居いて少数のエンジニアがそれぞれの得意とする分野を一体となって開発をおこなう日本型経営を復活させたのだ。
日本にしか出来ない匠の技、匠のチームワークを実現した世界がそこにある。

詳しくは同氏の著書を参考にしてください。

水野氏のこれから

そんな水野氏ですが、日産自動車を2013年に退職している。
2014年に華創車電技術中心の上級副社長、華創日本の代表取締役最高執行責任者として活動を始めている。

そこには、日本だけではなくアジア圏として自動車開発をし、「3年でヨーロッパブランドをぶち抜く」という目標と、その新統合プラットフォームを欲しいと言われたらオープンにし独占はしないという戦略である。


この華創は台湾の企業なのだが台湾は親日であり、また気質も日本人と良く似て礼儀正しい所など一緒にやるパートナーとしてふさわしいと感じた事で動き出したようだ。

今世界で一番のガチンコマーケットである、1.6ℓ〜2.0ℓターボの車を開発しているというから、今後の発表がとても楽しみである。

さいごに

あっという間の2時間で、欧州車を越える日本のスーパーカー「GT-R」の熱い話でした。


参加者からの質問で、スポーツカーは軽量化というイメージだがGT-Rはなぜ重いのか?という突っ込んだ内容にもとってもわかりやすく教えて頂きました。


GT-Rはあくまで「マルチパフォーマンススーパーカー」である。
サーキットを走るだけなら軽量化を追求し、ダウンフォースでグリップを稼ぐ事ができるが一般道を速く安全に走る為に自動車メーカーとしてやるべき4輪のグリップを出すことの最適値がこの車重である!と語られた内容に非常に納得できました。

車開発の棟梁である水野氏のこれからの活躍がますます気になりましたね。

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